極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「沖縄まで来たのにごめんなさい。そうだ、翔さん、私に構わず泳いできてください」
目の前には清々しいくらいに真っ青な海はあるし、大きなプールもある。部屋でただ寝ているだけの美羽に付き合っているのはもったいない。旅行の準備をしているときに、ウキウキした様子で翔が水着を詰めていたのを知っているから余計だ。
翔は美羽の頭のすぐそばに腰を下ろし、寝ている美羽の髪を撫でた。
「俺は泳ぎたくて沖縄に来たわけじゃない。美羽とゆっくり過ごしたかっただけ」
「でも」
「とにかく美羽は余計なことを考えずに休む。いいな?」
「……はい」
そうまで言われたら、大人しく引き下がる以外にない。翔が掛けてくれた毛布を顎まで引っ張った。
「そういえば、乗ってきた飛行機の機長さんは大丈夫だったんでしょうか」
「美羽が病院で眠っているときに快方に向かっていると連絡が入ったよ。会社のほうから、また改めて連絡をくれるそうだ」