極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

航空法に規定された、乗務員が運航中に正常に業務を行うことができなかった事案と言えるから重大インシデントに該当するかもしれない。


「翔さんが操縦を代わっていなかったらどうなっていましたか?」
「通常ならコーパイがいるからなんとかなるけど」
「……けど?」


変なところで言葉を止めるから気になる。


「今回の場合は一年目の新人だったからどうだろう。気象条件も悪かったから」
「……墜落、ですか?」


口にするのも恐ろしい。胃の奥のほうがきゅうっと詰まるような感覚だ。


「いや、管制官の誘導もあるし、一年目とはいってもしっかり訓練は受けているだろうから。そんな話より、俺たちの子どもの話をしよう」


翔が唐突に話題を切り替える。


「今どのくらい?」


美羽のお腹に視線を向けた。表情がいきなりやわらかなものになる。
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