極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「体調不良でつらかっただろう」
「吐きづわりではないので、そこまででもないです。ひたすら胃がムカムカしている程度なので」
「そんなことにも気づかないで、痩せたか?なんてデリカシーの欠片もないな」
「大丈夫ですから気にしないでください」


はぁと深くため息をついた翔にヒラヒラと手を振る。男の人なら気づかないのが普通だろう。


「もしかしてコントローラー業務に配置換えになったのは……」


ピンときたらしい。翔が目を見開く。


「兼平さんが気を回してくれて」
「兼平って、悟?」
「あ、いえ、百合香さんのほうです。……ごめんなさい、妊娠に気づかれてしまったので、翔さんと結婚していることを話さないわけにはいかなくて」


翔は顎に手を添え、細めた目線を泳がせた。


「本当にごめんなさい」


咎められた感じがして急いでもう一度謝る。
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