極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「でも秘密にしておいてくださいってお願いしましたから。兼平さんなら絶対に誰にも話さないと思います」
「いや、そうじゃなくて……もしかして契約結婚ってことも話した?」
首を縦に振って答えた。
さすがにそれはまずかっただろうかと不安になる。翔にひと言断るのが筋だろうが、今回の話はほうもいかなかった。
「そうか、だからか」
「なにがですか?」
「最近、彼女の俺に対する態度が冷ややかでね」
「兼平さんが?」
百合香がそんなふうに翔に接しているとは知らない。
「その理由がわかったよ。契約的な結婚をしておきながら妊娠させるなんて最低!ってところか」
小刻みに頷きながら、翔が困ったような笑みを浮かべる。
たしかに百合香は翔のことを『頭にきちゃう』と言っていたが、それを態度に出していたとは。美羽を想うがゆえの言動だと思うと嬉しくなる。
「本当に最低だよな、俺」