極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「ところで沖縄はどうだった?」


お弁当箱を開き、箸を片手に美羽を見る。


「じつは妊娠してることが彼に知られてしまって」
「えっ、そうなの?」
「行きの飛行機で私が体調を崩して」


経緯を簡単に話して聞かせる。

翔が美羽の体調を最優先にしてくれたため、沖縄ではほぼホテルに缶詰め。外に出たのはプライベートビーチやプールサイドを散歩したときだけ。それ以外は部屋でゆっくり過ごしていた。


「本郷さんに知ってもらってよかったじゃない。いつまでも内緒になんてできないんだから」


百合香があっけらかんと言う。彼女は最初から秘密にしておくのには反対だったからなおさらだ。


「そうなんですけど、これでまた責任が重くなっちゃったなって」
「藤倉さん、そう考えるのはもうよそうよ」


百合香は箸を置き、美羽を真顔で見た。
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