極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

自宅マンションのダイニングでお決まりの朝食のゼリーを食べていたら、テーブルに置いていたスマートフォンが着信を知らせて鳴りはじめた。マサチューセッツにいる母、芳江からだ。


《美羽、変わりはない?》
「うん、元気だよ」


まだつわりの真っ只中ではあるけれど、気持ちの整理がついたせいか一時ほどしんどくはない。


《翔さんは?》
「今日の午後、バンクーバーから帰る予定」


もうとっくに向こうを飛び立ち、今頃は太平洋上だろう。

電話の向こうから明らかに落胆する様子が伝わってくる。翔と話したくて電話をしてきたようだ。


《大晴の結婚式にはフライトなんてことはないわよね?》
「ちゃんと休みを取ってるから心配しないで」


よほど彼に会いたいらしい。
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