極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「バカ。こんなに体を冷たくして」
「会いたかったんです」
頭にはそれしかなかった。
会いたくて、顔を見たくて、こうして抱きしめてもらいたかった。
「……はじめてだな、美羽がそんなことを言ってくれたの。めちゃくちゃうれしい」
翔の腕が美羽を大きく包み込む。
「翔さんにもう会えなかったらどうしようって、ものすごく怖かった」
「俺を勝手に殺さないでくれ」
「だって、あんな事故が起きるなんて……」
本当に生きた心地がしなかった。
「心配させて悪かった」
翔の腕の力が強まる。それに応えるように美羽も翔をギュッと抱きしめ返した。
「本当なら乗客のことを第一に考えなきゃならない場面なのに、美羽の元に帰らなきゃならないってことばかり考えた。美羽の気持ちを聞かせてくれるんだろう?」
美羽をそっと引きはがし顔を覗き込んだ翔に頷く。
「それじゃ聞かせて」