極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
胎動でもあれば成長の証を感じられるのかもしれないが、今はまだエコーだけが頼みの綱。今日はこのあと仕事を早上がりし、オフの翔と病院で待ち合わせている。
「そっか。楽しみだね」
「うん」
残り六カ月弱。会える日が待ち遠しい。
「そういえば、この前の事故機の機内の様子が動画サイトに投稿されてるらしいけど、美羽は見た?」
「え? そんなのがあるの?」
存在すら知らない。あのときのことを思い出すのが怖くて、美羽はニュース番組やワイドショーなどでその話題になるとテレビのチャンネルを切り替えている。
萌子は「ちょっと待ってね、今、探すから」と言ってスマートフォンを取り出した。
「あ、でもあまり見たくないかも」
「ダメダメ、美羽は見たほうがいいと思う」
「どうして?」
「どうしても。あ、あったあった。はい、どうぞ」
無理やり持たされたスマートフォンには、早くも機内の映像が映し出されていた。