極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
仕事を早上がりし、病院へ到着した美羽は受付を済ませて待合室へ向かった。
先に着いていた翔は異色の存在。女性ばかりの待合室で完全に浮いているが、本人にはまったく気にする様子はない。ふたり掛けのソファにゆったり座り、ラックにあったマタニティの専門誌を熱心に読んでいた。
「翔さん、お待たせしました」
声を掛けると、翔はすぐさま雑誌を閉じ隣のスペースを美羽に空けた。
「疲れてないか? 体調はどう?」
「大丈夫です」
妊娠を知ってからというもの、いつもこんな調子だ。翔はいきなり心配性にでもなってしまったのか、なにかにつけて必要以上に美羽の体を気遣う。ちょっと過剰?と思えることもしばしばだ。
翔は隣に座った美羽の腰に手を回し、自分のほうにさりげなく引き寄せた。
「翔さんこそ昨夜帰ってきたばかりなのに付き合わせてごめんなさい」