極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

どうした?と翔が小首を傾げる。


「今夜は翔さんお手製の冷やしネバネバうどんが食べたいです」


あれ以来、何度か作ってもらったそれは、つわり中に唯一がっつり食べられるメニューである。
しかも、ものすごくおいしい。


「よし、任せておけ」


自分の胸を軽く叩いて、翔が自信満々に頷く。


「それから」
「まだあるのか」


翔が目を丸くする。


「病院の帰りに翔さんと飛行機を見たい」
「飛行機? じゃ美羽のお気に入りスポットに行こうか」


それはほかでもなく空港の展望デッキだ。翔とはじめて話したあの場所で、もう一度一緒に飛行機を見たい。
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