極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「あれからまだ一年も経たないのに、俺たちの間に子どもができるんだな」
「私も信じられないです」
ふたりがここではじめて会話を交わしたのは九月だから、それから八カ月も経っていない。
出会って結婚して妊娠してと、ものすごく濃い八カ月。これまでの美羽の人生の中でもダントツの波乱だろう。
「バンクーバー便の翔さんの機内アナウンス、うれしかった」
「機内アナウンス?」
「事故が起きたときの様子が動画サイトにアップされていたんです」
「あれが?」
翔は目を丸くしたあと手で顔をくしゃりと撫でた。
どことなく照れているような様子が愛しい。
『日本に愛する人がいます』と聞いたときの胸の高鳴りが蘇る。
「あのときは必死だったからね。美羽が待ってるのに、こんなところで終わってたまるかって」
「翔さんが無事に帰ってきてくれて本当によかった」
「美羽と子どもを遺していくような真似は絶対にしない」
美羽をうしろから抱き込んだ翔の腕の力が強まる。