極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「それじゃ女の子だったらグランドスタッフか」
「CAも素敵ですね。あ、私がなれなかった整備士もありです」
「美羽は整備士志望だったのか?」
「不器用すぎて断念したんですけどね」
夢を語らうふたりの話は留まるところを知らない。
「なんにしても、美羽も子どもも責任をもって一生守っていくから」
責任は愛があるからこそ。そう思えるようになったのは翔と出会ったおかげだ。
「愛してるよ、美羽」
「私も」
肩越しに振り向き、唇が重なる。
ライトを灯した飛行機が美羽たちの頭上を悠然と通過していった。
それから月日は経ち――。
九月二十五日の夕方、予定日を二日ほど過ぎ、美羽は無事に二八〇〇グラムの男の子を出産した。
END