極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「空良は新年が明けるのがわかるみたいだな」
ミルクを作って寝室に向かった美羽に翔が感心する。
「どうして?」
「このところは、寝る前にミルクを飲んだら朝までぐっすりだったのに」
「ほんとですね」
隣に腰を下ろし、美羽も頬を綻ばせる。
言われてみれば翔の言うとおり。午前〇時直前に目を開けるなんて、まるで除夜の鐘を聞こうとしているみたいだ。
美羽が哺乳瓶を渡すと、翔は自分たちのベッドに腰を下ろして空良の口元に持っていった。ミルクをもらえるのを予感して、横抱きにするだけで口をパクパクさせる仕草がたまらない。
空良は哺乳瓶を咥え、一心に吸いはじめた。
「お前、かわいいなぁ」
「ほんとにかわいい」
両手を顔の横でグーにして宙の一点を見つめる。大きな目もぷっくりした頬も、すべてが愛おしい。まだ小さな体なのに、その存在の大きさはほかとは比べ物にならないくらいだ。