極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
心音が深く体に共鳴した。
年越しのキスで感じたものとは異質の高揚感を覚えて動揺する。組み伏せられているとはいえ、拘束されているわけではない。
それなのに体は硬くなり、身じろぎひとつできない。
「三、二……、一」
翔が最後の数字を唱えた瞬間、唇が塞がれた。
顔の脇に投げ出していたいっぽうの手を彼に握られ、指先が絡められる。彼の片方の手は美羽の頬に添えられた。
付いては離れ、離れては付いてを繰り返しながら、翔が強張る美羽の唇を解していく。
入籍してから二ヵ月、離婚まで交わるはずのないふたりがキスをしている突発事態。それを受け入れられなくて、心が大きく乱される。
(どうして嫌だと思わないの? カウントダウンのキスで感じた〝なにか〟のせいなの?)
美羽の頭の中は〝どうして?〟ばかり。理由を見つけられず、ただ翔のキスに翻弄される。
「美羽……」