極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
婚活パーティーをはしごして結婚相手を探すより、社内で翔との結婚が公になるほうが大変さのレベルはずっと上だ。そのくらい翔との結婚は周りの目が恐ろしい。
しばらく考え込んでいた翔だったが、美羽の気持ちをくみ取る気になったらしい。
「キミがそうしたいというのならわかった、そうしよう。俺も、両親にさえ結婚した事実が伝わればいいから」
美羽のほうも両親と兄だけ安心させられればいい。
社内で内密にできれば、離婚したあとも気まずくならずに済むだろう。
「では、よろしくお願いします」
頭を下げると、翔は手を伸ばして握手を求めてきた。
おずおずと手を出し、ぎゅっと握られる。
「よろしくな、美羽」
不意打ちで名前を呼ばれ、鼓動がトクンと弾んだ。