極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
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パイロットはあらゆる事態に対して的確な判断と決断力が常に求められる。多くの乗客の命を預かるうえで、決して失敗があってはならないためだ。
これまでどのフライトにおいても翔の判断に誤りはなく、想定通りの結果を残してきた。
ところが――。
翔は今、想定外の事態に直面している。
カウントダウンパーティーの翌朝、ホテルのベッドで目覚めた翔は隣がもぬけの殻になっていることに気づき深いため息を漏らした。
昨夜のキスが、すべてのきっかけ。彼女の唇に触れた途端、感じたのは説明のつかない心の変化だった。
二十代の頃は人並みに恋愛をしたし遊んだりもした。しかし生涯を捧げたいと思うほどの深い愛情を抱くような女性はひとりもいなかった。
冷めた態度が相手にも伝わるのだろう。次第にふたりの間に温度差が生まれ、ケンカになることもしばしばあった。
結果、付き合いはわずか数カ月で終わりを告げる。ずっとその繰り返しだった。
そんな薄っぺらな関係性を築くくらいなら、いっそひとりのほうが気楽でいい。
結婚も一生しなくていいと思ってきた。