極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

『私、じつはこういうことは……』


潤んだ瞳で処女だと告白する美羽を見て、堪らなくかわいいと思った。愛しいという感情を身をもって知ったのもそのときだ。

強く抱けば壊してしまいそうな彼女を優しく導いていたつもりが、恥じらいつつ乱れる姿を見て抑えが効かなくなっていく。

結果、何度も抱くという貪欲な自分を晒した。

おかげで深く寝入り、彼女がひとりでベッドを抜け出したことにも気づかなかったという不甲斐なさを露呈させた。

急いでマンションに帰ってみれば、彼女は自室に籠もりきりで出てこず顔も見られない。
フライトでバンコクへ行かねばならず、翔は話すこともできないまま空港へやって来た。


「おはよう。正月早々フライトとは、さすがエリートパイロットは大忙しだねぇ」


制服に着替えてロッカールームを出て早々、声を掛けてきたのは同期の兼平(さとる)だった。人事部に所属するマネジャーで、グランドスタッフのチーフ、兼平百合香の夫でもある。

短い髪をワックスでツンツンに立たせ、黒縁のスクエア眼鏡をかけたインテリの兼平は、翔と美羽の極秘結婚を社内でただひとり知る人間だ。
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