極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

それは紙だけで結ばれたふたりが、体を重ねるための免罪符。そして痛みを和らげるための麻酔。
決して心のない〝好き〟だ。


「……す、好きです……っ」


想いと連動しない唇が動く。

眉根を寄せ、翔が切なげな表情を浮かべた刹那、熱いものが体を貫いた。
引き連れてきた痛みの中でふたりが文字通りひとつになる。


「美羽……、俺も好きだ」
 

彼の口からもその場限りの愛の言葉が零れ、いたわるような動きが美羽を痛みから解放した。


突き上げられ、焦らされ、見せかけの夫婦の情愛を交わし合う。
 
後にも先にもなく、たった一度きりだからこそ燃え上がるのか。そこになにかがあるのかを考えている余裕はまるでない。

熱に浮かされ、何度も口先だけの愛の囁き、激しい情交に身をゆだねる。ただ与え、与えられる悦楽にふたり揃って溺れていった。
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