極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
昨夜はたまたま翔に作ってもらったが、これまでの二カ月間はずっと別々だった。国際線に搭乗することの多い彼は不在がちだったし、不規則な生活リズムの翔との接点はそれほどなかった。
「昨夜言っただろう? 美羽に離婚を撤回させるって」
「何度も言いますが、責任なんて感じないでください」
本気でそう願っているのに、彼はなぜか頑なに責任を取ろうとする。
お互いの利害のうえに成り立った結婚なのだから、それが達成できればいいのではなかったのか。
「それじゃ、こうしよう。残りの期間で美羽を振り向かせられたら離婚は回避。それなら文句ないだろ」
「なんでそうなるんですか」
美羽に固執する理由がなにひとつわからない。
「なんでも。美羽は夫婦ごっことでも思ってくれてもいい。とにかくそう決めたから」
パイロットには、どんな緊急事態にも的確に対処できる冷静な判断力と責任感が必要不可欠。最年少機長として名高い翔は、その責任感が人より何倍もあるのかもしれない。それも二倍、三倍どころではなく、十倍、二十倍というレベルで。