極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
ターミナルビルの地下駐車場に着き、周りを注意深くチェックしてから車を降りる。
怪しさ満点なのは自覚しているが、そうしないわけにはいかない。
「そんなにコソコソしなくてもいいだろう」
翔はクスクス笑うが、美羽にとっては笑いごとではない。彼の車から降りたところを目撃されたら一巻の終わり。もちろん並んで歩くのもタブーだ。
「ダメです。ばれたら元も子もないですから」
「ばれたらばれたでいいだろ」
「空港中の全女子を敵に回す私の身にもなってください」
「ハハッ、それは大変だな」
翔があっけらかんと笑い飛ばす。
(この人、本当にわかってない……)
不満いっぱいに翔を睨んだが、彼は伸ばした手で美羽を引き寄せ唇を奪った。
「んっ――」
慌てて彼の胸を押し、なんとかキスを解く。軽く吸われたため、離れるときにチュッと音を立てた。
「だ、誰かに見られたらどうするんですか!」