.*・゚ .゚・*.若頭に溺愛されて.*・゚ .゚・*.

楓の正体





重い玄関の扉を開ける



私は思い玄関の扉を開けると楓が私に気がつくと突然抱きついてきた



私は少し驚きながら心配させてしまったと思い




申し訳なさが心に残る




突然抱きつかれた勢いも凄かったし、抱きしめている腕が強い·····




『痛いよ、楓·····』





「ごめん·····ッ、って真白その髪の毛」





『うん·····切ったの』




楓は不満そうに私の肩を自分の方に引き寄せて私と目を合わせる




「本当は?」



楓は疑いの目を私に向けてくる



『本当だよ。嘘なんてついてないよ。』




「話したくないなら今はまだいいよ。でも話してくれるの待ってるから····



ねぇ真白その首の赤いの何?」




楓に言われて首元の後ろを玄関の鏡で確認する




ギリギリTシャツのラインから赤い跡が見える




透だ·····



昨日の夜、透にキスを沢山されて何回かチクっとした痛みが走ったのを思い出し



これもしかしてだけど····



キスマーク?



髪の毛でギリギリ隠れなくて手で抑える




楓は何故かすごく怒っていいる·····



「昨日本当は誰の家にいたの?」




『透っていう子のお家·····』




「透ってなんか聞いた事·····こないだ会った·····」




『そうだよ?』




なんだか楓がいつもの優しい顔じゃなくて怒っていて少し怖い




「ダメだよ·····真白」




楓がゆってることがわからない



なんでダメなんて言うの·····




楓は私の腕を無理やり掴むとそのまま階段の2階へ上がって自分の部屋の扉を開けてベッドの上に私を押し倒す




『イヤっ·····』




いつもの優しい楓じゃなくて焦りを感じる




『楓どうしたの?話してくれないとわかんないよ』




私をベッドに押し倒したまま話し出す




「あいつ·····黒川楓っていうのはヤクザの黒川組の若頭なんだよ·····真白


あんな危なくて悪いやつ·····


真白に手を出すなんて」




楓勘違いしてるみたい·····




『悪い人じゃないよ·····助けてくれたの·····もうとりあえず全部話すよ』



全部昨日のことを話終えると楓は「ごめん·····」と言いその場に腰を下ろす




「真白にとって僕はなに?」



急に聞かれて少し驚く




そんなの決まってるよ



『もちろんわたしの大切なお兄ちゃんだよ?』




「そんなことを聞いてるんじゃないんだよ·····真白」




彼は私の肩を掴んで自分の方を寄せる




こんなことされたら彼に出会う前の私だったら勘違いしてしまいそうになるよ




「男としてどう思ってるのか·····」




『ごめん·····楓·····そういう話はしないでおこうよ私達兄弟だよ?』



楓は苦しそうな表情で私を見据える




その後衝撃的な一言を楓が発し私は無言になってしまう




『へ?ッ·····楓何言って·····』




楓は焦ったように私の肩をさっきよりも強く掴む




「ずっと小さい頃から·····初めて会った時からずっとずっと·····真白の事好きだったから」




『ダメだよ·····そんなこと今更·····片桐うららちゃんっていう彼女いるじゃん楓には·····』




楓·····




「彼女とは何もないんだよ·····」



『どういうことなの?付き合ってるんじゃないの?わけわかんないよ楓·····』




「片桐には·····真白に嫉妬して欲しくて付き合ってただけなんだよ·····」




『·····楓·····なんでそんなこと·····』



もし彼に出会う前の私なら



素直に楓に好きだと言われていたなら嬉しかったかもしれない·····



でも·····こんな形の告白なんて困るよ·····




『この事·····片桐さんは·····』




「知ってたよ·····」




私がもし片桐さんの立場なら耐えられないよ·····




これじゃ彼女をむやみに責められない·····




楓·····




『ごめん·····楓·····楓の気持ちには私答えられないよ·····』





「嘘だろ·····嘘って言ってくれよ真白·····」



楓に掴まれている肩をゆっくり押し返す




立ちあがり楓の部屋から出ていこうとすると後ろから腕を引っ張られ唇に柔らかいものが触れる·····




『イヤっ·····楓·····やめッ·····』




男の人の力には叶わなくて·····ベッドに強く押し倒される



逃げようとしても全くビクともしない·····



無理やり着ていたカーディガンを上にあげ背中の着をざられそうになり噛みつき抵抗する




さっきよりも強く固められて抵抗できなくなる·····



背中から手を離すとスカートに手を入れられる



透以外のキスなんて気持ち悪くて思い口を閉じ抵抗するけど無理やりこじ開けられそうになり



彼の唇を噛むと口の端から血が出る



彼の手が私の胸に触れた時本当に気持ち悪くて·····




今まで我慢していた涙がこれでもかと言うほど溢れ出す




『楓·····今辞めたら許してあげるから·····もうやめて·····』




楓は苦しそうな表情をするけど·····




熱い視線は覚めそうにない



プルルルプルル·····




わたしのワンピースのポケットに入っていた携帯音が鳴る




止まらない着信音に楓はイラついたのか画面をみると·····透·····と記載された文字を見ると電源を切り床にスマホを投げ捨てた·····




透·····




助けて·····



ピンポーン····ピンポーン



ずっとなり続ける呼び鈴はまだまだやもうとしない




楓は立ち上がり私をネクタイや衣服でベッドに縛り付けるとまだ鳴り止まないインターホンのボタンを上の階で押す



「郵便です。」




楓は下に降りて行く



その間に少しでも音を立てようと楓の部屋にあるガラスのトロフィーの置物を頑張って揺らすとその場に落ちて





ガシャン·····と大きな音を立てる




そのあと少ししてから階段から上がってくるひとつの足跡が聞こえ楓かと思い震えたまま扉に目をやる



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