.*・゚ .゚・*.若頭に溺愛されて.*・゚ .゚・*.
第1章

プロローグ

『んんんー』




まだ眠いから寝返りを打つ




『真白·····遅刻するよ』




上から優しい楓の声が聞こえて来るけどまだ起きれそうにない




「起きないなら、真白のショートケーキ食べるから」




『え?!それはダメ!』




思いっきり起き上がると楓は綺麗な笑顔をこちらに向ける




「真白おはよ」




そう一言言うと頭を撫でてくれる




『おはよぉ楓』




いつものこの時間が少し幸せを感じさせる




私は制服に着替えようと手を伸ばすと楓が私の着ているパジャマを少しずつボタンを外して
いつも私のお世話をしようとして来る



けどこれだけは恥ずかしいからやだよ




『恥ずかしいから下で待ってて!』




楓は我に返ったのか「そうだよね」と笑顔で言い残してそのまま下の階に降りていった




薄い桃色の髪の毛をくしでといてから二つに分けてから三つ編みにする




少しツヤ感のあるメイクを施してから白を基調とした胸元赤いリボンの大きいワンピース型の制服に腕を通し




4月でまだ一応長袖だけど肌寒いからグレーのカーディガンを上から羽織る
靴下は基本履かないから黒のタイツを履いて皮の黒いリュックを持ったら完了




下の階にトントントンと降りて行くと楓は義母さんと仲良く何か話している声が聞こえてくる




私は二人の会話が終わるのを待ってるけど終わりそうになく1度部屋に戻った




さっきの義母さんという人は私の義母にあたる人であり楓の実の母親である




私がまだ小学三年生の頃お母さんとお父さんは離婚した




お互いに納得した上での離婚だった




隣同士で住んでいた他人だったはずなのに私たちが知らないうちにお互い惹かれあって離婚して再婚した




私はお父さんとお母さんが大好きだったからショックで部屋に閉じこもった




お互い新しい家庭を築いていてお母さんは新しい女の子も出産したらしい




私のことは大切だと言い残してお母さんは出ていったけど1度も会いには来てはくれなかった




そんなお父さんとお母さんが私は大っ嫌い




私の幸せだったはずの家庭を踏みにじった義母はもっと嫌いだ




何故家庭を持っている人に近づくのかが私には理解できないよ




楓とは幼稚園からずっと一緒だったがもう今では義兄にあたる



同じ歳だけど楓の方が少し誕生日が早いから




楓が兄弟になると知って一緒に住めると知った時はとても嬉しかったが、私のそれ以上に傷ついた心はそう簡単には治らなかった




何年もかけて楓が支えてくれてるおかげで今でも義母さんとお父さんとはある程度の関係を保ててはいるけれどまだ打ち解けてはいない




今更馴れ合う方が可笑しいのかもしれない




「真白ちゃん?おはよう、朝ごはん·····」




『大丈夫です。あんまりお腹空いてないから』





「えぇ、そう」




悪い人ではないから強くは当たってないけれど受けれ入れるにはまだ時間が必要




「真白、じゃぁもう学校行こうか?」




『うん、そうだね』




家を出るとまだ肌寒い冷たい風が肌に感じられて少し気持ちよさを感じる




「真白?寒い?」




『んんん、涼しいね』




楓の心配そうな顔を見て
笑顔を向けて安心させる





今日もそうだけど周りの女の子達の生徒がチラチラこちらを見ながらキャッキャと騒いでいる




私には凄く女の子たちの視線が怖いけど、いつも女の子たちは兄弟だと知ると逆に私を利用して楓と仲良くなろうと媚びを売ってくる




4月だしまだ新入生はしらないよね?




でも楓の容姿を見たら誰でも振り向いてしまうのは私も納得するよ




初めて楓が私の家の横に引っ越して来た時から天使みたいな容姿で最初は美少女だと思ったくらいだから·····



朝日楓(あさひかえで)
今じゃ背も185cmもあって、程よく筋肉が付いている

髪の毛はミルクティー色のサラサラヘアーをセンター分けしている

透き通った白い陶器みたいな肌に筋の通った鼻筋




振り返らない方がおかしいかもしれない




そんな彼は実は私の初恋の相手である




今はもう義兄としか思ってないけどね




でももしまだ好きだったとしても彼には告白すること絶対にない




彼にはもう·····





それに兄弟だからそういうのはダメだよ




私は楓と兄弟に慣れて一緒に住めると知った時はまだ何もわからずにいたけれど



今考えてみたら兄弟は近いようでどこか遠い何かを感じるよ





「真白?」




心配して楓が私の顔を覗き込む




本当に優しいなぁ




早く諦めないと傷つくだけだよね




楓の方を向いて笑顔を浮かべる




4階の教室に着くと愛達はもう居た




「おはよ!まっしー!」




もうこの呼び方何回もやめてって言ってるのに、、郁人ってもう




腕を窓際で広げている郁人を無視して愛の方にいく




灰原郁人(はいばらいくと)

黒に近い赤い髪に

ピアスの量がすごい

声が大きい

背も180あると思う

毎日赤いピアスを片方ずつに3つは最低しているのが彼の1番の特徴


容姿は普通にイケメンの部類に入ると思う





灰原愛(はいばらあい)


サラサラの茶髪のボブに少し重めのパッツン


背は160cmあってスタイルも抜群


目がぱっちりしてThe小動物の猫を感じさせる


一言で言うとただただ可愛い




2人は、2卵生の双子だから顔はあまり似ていないけれど美男美女の兄弟だ





この4人のメンバーで常にいるせいか兄弟カップルじゃないのか?ってよく聞かれたけどそんな関係ではない




だって楓には·····




「愛おはよう」




笑顔で声をかけると思いっきり抱き着かれて後ろに倒れそうになるのを楓が両手で肩を支えてくれる




少し触れた肩が熱くなるのを感じ



支えられていた肩を離してくれと言うように愛の胸に顔を埋める




愛は嬉しいのかなでなでして来る




「ふふ、やっぱりまだ真白ちゃんは甘えたさんだね」




そうなのかな?




自分ではあまりそうは感じないけど




『もうチャイムなるからそろそろはなして?ね?』




愛は頬をリスのようにプク〜っと膨らませながら仕方ないなぁという感じで自分の席に戻っていく





キンコンカンコーン




チャイムが鳴ってみんな自分の席に着いていく




やった今年も窓際の席だ




苗字が朝日だから毎回窓際なんだよね




愛と郁人は灰原だから真ん中の列の後ろの方に座っている




行くとと目が合うと手をふりだしたので無視して愛にはニコッと笑顔を向ける




目の前に大きな影ができたと思ったら楓がいてクラスの女子達の視線を一点に受けている




楓は後ろを向いて私と目が合う




『どうしたの?』




「いや?何も無いよ。ただ真白の近くで嬉しいなって思ってた」と一言いい
笑顔を私に向けてから




担任の先生が教室に入ってくるのを見計らって




前に向き直ってしまった




ちょっと·····なんて恥ずかしいことを
赤くなった頬を両手で頬杖をつきながら隠していたけど熱が冷めるのに少し時間がかかった事は私だけの秘密




やっぱりあの完璧すぎる笑顔はある意味犯罪だよ·····




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