私の推しは世界一!!
教室に戻った私は、

自分の席でお菓子を食べていた

笑実ちゃんのところに行った。




助けてもらうために…………。



「笑実ちゃん!!」


「ん?どうしたの?

 デートは楽しかった??」


「いや、デートって、

 利穏くんとはそんな仲じゃないよ。」


「え?…………あー、ほら、あるじゃん??

 …………何かが。」


「ちょっ!?

 何かって!?

 ホントに違うからね!!

 私たち、付き合ってないから!!

 むしろ嫌いあってるから!!」


「うんうんわかったわかった。」


分かってない!!

絶対に分かってない!!


「沙羅。」


「何??」


「照れ隠しはいいから、早く話して。」


結論。

笑実ちゃんに分かってもらえない。





何で笑実ちゃんは

私たちが付き合ってるみたいな言い方するの!?




私はともかく、

利穏くんは

絶対に私のこと嫌いだからね!!




「で、どうしたの??」


「り、利穏くんと……。」


「利穏と??」


「今日、遊びに行くことになった…………。」




あの後、何か話が進んでしまい、



(決してリオン様グッズを奢ると

利穏くんに言われたことに釣られたわけじゃない!!)



結局、今日行くことになった。




笑実ちゃんに助けを求めるのは

私が利穏くんにイヤミを言われたくない

以外に問題がある。




「…………。やっぱり付き合って…………。」


「付き合ってないから………。」



「でも、それデート……。」


そう!!それが問題なの!!

デートだと誤解されることが!!



利穏くんはあんな生意気な性格なのに

イケメンだから人気がある。




だから、

このまま2人で出かけでもしたら

デートと誤解されて

明日には私の命は儚くなるだろうな…………。



いつもお昼ご飯を一緒に食べている私は

ただでさえ妬まれいて、







…………あれ??





いつも私って、利穏くんとご飯食べてない……?


「沙羅?どうしたの?顔色悪いよ?」


「笑実ちゃん、私と利穏くんって毎日ご飯食べてるの………?」


「何を今更………?」


今更………。


肯定、ですか………?


そういえば、そうだった…………。


振り返ってみれば…………。


…………殺される!!利穏くんのファンに!!

いつもお昼が一緒な私が

デートなんて行ったら!!

付き合ってるって誤解される!!


そして…………

お菓子漬けにされる!!


最近、

利穏くんファンがお菓子を私の机に置いて

太らせようとしているのに!!




私がこんなお腹が痛くなるような状況になっているのは!!



「利穏くんのせいだ!!

 利穏くんのバカ、」




「俺のせいって……?

 どういうことですか?

 本人のいないところでの陰口は

 感心しませんね。」







「ひゃっ!!

 …………うわっ。」



……後ろには、ご本人様が。ひぃぃぃぃ!!

見つかった!!!
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