棗ちゃんはステキな恋がしたい
◎プロローグ


桜舞う、四月


「止めて」

「ですが。正門は、まだ先です」

「ここでいいの」

「では、教室まで自分が――」

「ぜっったいに、ついてこないで!」


わたし、仮屋棗(かりや なつめ)

"フツウの中学生"になった。


「なにかありましたら、すぐに呼んで下さい。秒で駆けつけますので」

「……心配しすぎ」

「くれぐれも、お気をつけて行ってらっしゃいませ。お嬢」


――――ドキドキの学園ライフを手に入れるために。

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