棗ちゃんはステキな恋がしたい


全然おもしろくない。



「そんな楽しみ方しかできないトモダチなら。それが親友なら。羨ましくないや」

「喧嘩売ってんの? お嬢様」

「ううん、逆。わたしへの嫌がらせも、わたしの周りの人に危害を加えるのも、やめて」

「はあ? なんで指図されなきゃいけないわけ」

「わたしに本気でイジワルしたら後悔することになるの、あなたたちだから」

「脅してるつもり? 全然怖くない」

「明日の朝、いちばんに橋本さんに謝って。ちゃんとお財布を返すこと。それから。谷口くんを脅すのもやめて。写真を破棄して」

「さっきから聞いてれば何様なの」

「バカなの、あんた。言う通りにするわけないでしょ」

「……そっか」


わたしの忠告、聞いてくれないんだ。

困ったなあ。

 
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