棗ちゃんはステキな恋がしたい
「ねえ坂田」
「はい、お嬢」
「どうしよう1年間ひとりぼっちだったら」
弱気になりたくないのに弱気にならざるを得ない。
このままじゃ1年間どころか3年間トモダチできないかも。
「仕方ありません。自分が転校生として、お嬢のクラスに――」
「それは無理があるよ坂田」
あなた何年前に義務教育を終えたと思ってるの。
「ちなみに今は用務員に扮しています」
「そうなの!?」
用務員さんなら怪しまれずに学校の中をウロウロできるのかな。
どんなことしているんだろう。
「……声かけないでよ?」
「TPOは、わきまえていますよ」