棗ちゃんはステキな恋がしたい
坂田が、静かに続ける。
「そうなるとデジタルタトゥとして先程の映像がネット上に出回り。進学、就職、結婚などで生涯に渡り不利益が生じることとなり。個人情報はさらされ、家族全員を巻き込み一生苦しむ未来が――」
「もうわかったから!」
震える手で、溝口さんがスマホを操作する。
「なんなのよ。マジで……」
「バックアップは?」
「なに……それ」
「とぼけるなら拡散しますね」
「ほんとにわかりません!」