棗ちゃんはステキな恋がしたい
移動教室も、お弁当も
気づけば決まったメンバーで集まっていて
なかなか輪に入ることができない。
「仮屋さんのお弁当見たことある?」
「あるある。伊勢海老入ってた」
「うちが見たのは鰻重だったよ」
みんなが、どんなハナシで盛り上がっているかもイマイチわからない日々が、淡々と過ぎていく。
こんなはずじゃなかった。
「最初のテスト。クラスで一番成績いいの、仮屋さんだって聞いた」
「英語ネイティブみたいだよね。帰国子女とか?」
「スポーツテストも記録出してなかった?」
でも、大丈夫。
けっして育った環境がちがうことがバレたわけじゃない……!