棗ちゃんはステキな恋がしたい
「高級車で来てるの見た子いるよ」
「まじ? 住む世界ちがいすぎ」
こっそり車で来て、ちゃんと途中からは歩いているもんね。
もしかしたら一人が好きだと勘違いされているのかな。
朝読書に持ってきてるファンタジーものの小説が面白くて休み時間まで夢中になって読んでいたから、そっとしていてくれたのかも。
だとしたら誤解を解きたい。
本当は、すごくすごく
みんなと仲良くしたいこと、きちんと伝えていかなくちゃ。
「なんでうちの学校なんか来てんだろ」
けど……壁を、感じる。
取り残された気がする。
これって、やっぱりアレかな。
初日の印象が悪かったせい。