棗ちゃんはステキな恋がしたい
電話が終わると、一斗が地面にしゃがみこむ。
疲れたのかな。
「彩姫――うちの中学の3年だが。そいつの彼氏が、さっきの不良どもの仲間だった」
過去形……?
「今は、仲間じゃないの?」
「飛んだ」
「……裏切ったってこと?」
「ああ。暴力に窃盗――他にも犯罪行為に関わってるグループだ。簡単には抜けられねえ。ましてや逃げたとなると、その責任は本人の周りの人間がとることになる」