棗ちゃんはステキな恋がしたい
やっぱり一斗は優しいね。
「……怒ってないの?」
「は? なにがだよ」
「一斗のタバコ、見つかっちゃったでしょ」
「あー。あれか」
なにか理由があったんだよね。
なのに、みんなに誤解されるようなことになって。
「ほんとにごめん……!」
「どうでもいい」
「よくないよ」
「ナツメはホンモノのバカだな」
「なっ……」
「他人のことでいちいち頭抱えすぎ」
「一斗が誤解されたままは嫌だもん」
「にしても。あんな場所に乗り込んで来ねえからフツウは」
「だってえ……」
またフツウじゃない行動とっちゃった。
「明日にするとかしろや」
「一斗いつ教室くるかわかないし」
明日でいっか、とは思えなかったし。
「……一斗に、はやく、会いたかった」