棗ちゃんはステキな恋がしたい
「モノじゃないっすよ、お嬢」
「え?」
「なにか贈り物をするときは。それを自分のために選んでくれたってところがポイントっす」
リクって190センチあるし細いけどマッチョなのに心は乙女みたいだな。
「なんのハナシしてんですか、お嬢」
縁側にやってきたのは、カズ。
いいところに来てくれた。
成人済みのカズは恋の一つや二つ軽く経験してるかもしれないな。
「カズなら仲良くなりたい相手の誕生日になにを贈る?」
「相手が女なら花ですかねえ」
意外にロマンチスト!
「でもまあ。女って花より団子じゃないですかあ」
「……そう?」
「結局クソたけえブランド物をせがまれた挙げ句。他の男にあっさり乗り換えやがるんですよ……あいつら」
なんかよくわからないけど苦労してそう。