棗ちゃんはステキな恋がしたい
女の子が一斗にアイスを食べさせている。
嫌がる素振りを見せることもなく、パクリとスプーンにのったアイスを頬張る。
お互いに違う味を頼んでシェアしてるみたい。
――――チクリ。
……ん?
なんだこれ。
胸が、チクチクする。
見たくない。これ以上。
「洲崎一斗は、ろくに家に帰らず女性の家を転々としているとの報告がありますね」
――――ズキン
「どうします、お嬢」
「……え?」
「買い物を続けますか。それとも」
「…………」
「帰りましょうか」