棗ちゃんはステキな恋がしたい


「……年上の方を呼び捨てになんて」

「できない?」



いや、家に帰れば普通にするなあ。

坂田も坂田だし。



「ご主人様――でもいいし」

「ペットになったつもりありません」

「えー。超甘えさせてあげるよ?」

「12歳の女の子を飼うなんて思考が完全に危ないです!」



わたしの言葉にアキさんの胡散臭い笑顔が消える。



「な……なんですか」

「ウソでしょ」

「……?」

「てことは、なに。3月まで小学生だったの?」

「はい」



それがどうかしたのかな。



「どうりで」



なんの納得。



「世間知らずで怖いもの知らず」

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