棗ちゃんはステキな恋がしたい
「ナツメちゃん勘違いしてない?」
「え?」
「僕はキミのガッコのトモダチじゃない。もっというと。他人のお願いごとポンと叶えてあげるほどお人好しでもない」
はりついたような笑顔を向けられる。
「僕がキミに命令することはあっても、キミの望みを僕が聞いてあげるかどうかはキミの態度次第」
どうしても主従関係を結びたいみたい。
「どうする? もっともキミに選択の余地なんて――」
「お断りします」
「……え?」
こうしているあいだにも、一斗が建物から出ていく。
どうしよう。
坂田に連絡して先回りしてもらう?
ううん、
坂田がわたしの護衛から外れることなんてない。
それなら――
「自分でなんとかします!」