棗ちゃんはステキな恋がしたい
もっとも、物心ついた頃には
こんな生活だったものだから
自分がどうやらフツウじゃない、
ということに気づいてからは
周りとのギャップが激しかった。
「後悔してますか。お嬢」
幼稚園から大学まで苦労せずストレートにあがれるコースから外れてまで、わたしは今の学校を選んだ。
「お嬢が望むなら。すぐさま転校手続きをしたっていいんですよ」
「まさか」
後悔するのは、まだはやい。
「わたしを誰の娘だと思ってるの」
「それは。もちろん、泣く子も黙る――」
「このくらいで音をあげるわけないでしょ」
フツウの中学生ライフ
ぜったい楽しんでみせるんだから。