棗ちゃんはステキな恋がしたい



すごく、名残惜しい。


できるものなら一斗ともっと一緒にいたかった。


けれど、これでいいんだ。

そばにいすぎたら離れるのがイヤになる。



……こんなに好きになってることにビックリ。



「お嬢」



ヤマは童顔で短髪、家では柄シャツを着てるけれど今はお迎え用に白シャツを身にまとっているからリクルートスーツ着た大学生みたいだな。


一斗になんで2人も迎えが来たのか不思議に思われなかったかな。



「さっきの男がウワサの友人第一号ですか」

「うん」

「イケメンですね」

「うん」

「……元気ないですか?」

「うん」

「あのイケメンのせいですか」

「うん」

「自分、しめてきましょうか」

「……うん?」

「お嬢のこと満足させられないような(おとこ)――このヤマトが」

「一斗に手を出したらヤマのことキライになる!」

「っ、な……」

「元気ないのは、わたしの問題。それより2人で迎えに来たのはどうして?」


< 225 / 350 >

この作品をシェア

pagetop