棗ちゃんはステキな恋がしたい
広い部屋で、初対面の男の子と2人きりでご飯を食べる。
気まずいよ。
助けて。
「食事のマナーくらいは知っているらしいな」
もちろん知ってる。
テーブルマナーは小さい頃から指導されてきたから。
「棗は12歳だと聞いてるが。どうして公立の中学に通っているんだ」
えっ、わたしの名前知ってるんだ。
名前だけでなく学校のことも。
こっちは相手のこと知らないのに。
「それは……普通の生活に、憧れて」
「は? そんなくだらない理由で庶民と生活を送ってるの?」
なんで怒るの!?
「バカだね」
「さっきから、失礼ですよ。くだらないとかバカとか」
「事実だ」