棗ちゃんはステキな恋がしたい
わたしの素朴な疑問に絶望的な表情を見せる、ミツルさん。
「……隠し撮り、したわけ……では」
「ふーん。隠し撮りしたんですね」
「どうしても君のリアルな姿を見たくて霧島にお願いしたんだ!」
「お願い……って」
「 でも、けっして、日常的なものだけで! やましいものなどない!」
弁明すればするほど自分を追い詰めている。
隠し撮りの時点でやましい。
「いつの写真ですか」
「そ……それは」
「そうだ。パパにお願いして全部回収してもらおうかな~」
「幼少期からごく最近のものまでだ!」
バッチリ成長記録つけられますね。
「できれば……赤子時代のものも手に入れたいのだが。なかなか難しく」
アルバム作る気ですか。
ていうか手元の写真、何冊分ありますか。
「気持ち悪いです」
「……死のう」
「え?」
「君に嫌われてしまえば生きている意味もない」