棗ちゃんはステキな恋がしたい



 ◇



「待ってたよ~! 新入生!」



昼休み、お目当ての部活の顧問をしている先生の元に入部届けを提出しにいくと、大歓迎って様子で喜ばれた。



明るく気さくな、30代半ばくらいの女の先生。



「料理部へようこそ!」



家ではキッチンに立たせてもらえないから、この部活に決めた。

前からイロイロと作ってみたかったんだよね~。



「あの、わたし……。習い事の都合で、毎週参加できるかはわからなくて」


わがままで、ごめんなさい!


「いいのいいのー。そのあたりは部長や先輩たちに相談してくれたら大丈夫よ」

「はい」

「よかったー。これで廃部は逃れたわ」

「……え」

「今年一人も入ってくれなきゃ廃部になるところだったの」



え?


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