棗ちゃんはステキな恋がしたい
――――8月下旬
「まさかのビッグカップル誕生!」
「ヤンキー×美少女ってドラマだよね」
夏休み明けの新学期
教室に入ると、
「洲崎くんと仮屋さん――どっちから告ったんだろ?」
なぜか一斗とわたしが付き合ってると思われていた。
Why!?
「あー、そのウワサなら。たしか」
休み時間、廊下でバッタリ出会ったとなりのクラスのハナちゃんから、こっそり事情を聞いてみる。
「2人が映画館にいるの見たって子いてさ」
「……そうなの?」
「図書館デートもしてたんでしょ」
世間って狭い。
壁に耳あり障子に目あり。