棗ちゃんはステキな恋がしたい



教室に戻ると、次の時間は移動教室で鍵が閉まっていた。


「入れないね」

「余裕」



一斗がポケットから鍵を取り出し、引き戸を開けてしまう。



「あれ。一斗……今日カギの当番だったの?」

「んなもんなるかよ」

「え?」

「これは俺専用」



カギのスペア持ってるの!?



「見つかったら怒られちゃうよ」

「そんときはそんとき。これがねーと不便だからな」



一斗は体育の授業のあと鍵当番より先に教室にいたこととかあったけど、スペアキーを持っていたからなんだね。



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