棗ちゃんはステキな恋がしたい
一斗が、じっと、こっちを見つめてくる。
どうしたの?
「つーことは。アレでも家柄がお前に近いとかそんなんか」
「えっ」
一斗、するどすぎる!
ミツルさんの家柄は知らないけれど、本人がアンダーグラウンドって言ってたから少なくとも一般人ではない。
「金持ちのボンボンってわけな」
「……へ」
間違ってはいないかもしれないけれど
そっちじゃないかな。
もっと、暗い方。
「あの世間知らずに思い知らせてやる」
「ぼ、暴力はダメ!」
ミツルさんに手を出したら怖い人が復讐にくる。
「テスト。満点とりゃいいんだろ」
「……とれる、の?」
「協力しろ」