棗ちゃんはステキな恋がしたい
一斗の出席率は一学期に比べてはるかに高くなった。
「また一緒に勉強してる」
「付き合ってるもんね」
相変わらず周囲には一斗とわたしはカップルだと誤解されていて
「それにしても洲崎くん別人だよね」
「爽やかになったし」
「愛の力だね」
「仮屋さんが更正させたんでしょ? ホントすごい」
深まるばかり。
「おい!」
昼休み、図書室で一斗と勉強していたらミツルさんがやってきた。
「すみませんミツルさん、図書室では静かに……」
「洲崎一斗!」
聞いてない。
そして息切れてるけど、3年の校舎からここまで全力疾走してきたのかな。
「んだよ。今俺はいそがしーんだ」
「棗に……勉強を……教わるな」
「禁止されてねえだろ」
「距離が近い。離れろ……!」
「細けーこと言う男は嫌われんぞ」