棗ちゃんはステキな恋がしたい


たしかに一斗は、劇的に成績が上がった。



英語と数学が満点だったし他も平均点を大きく上回っている。


あまりの点の良さに先生たちも困惑していて、カンニングでもしたんじゃないかってぼやく生徒が教室にいたくらい。


もちろん一斗は正々堂々と勝負したから、そんなこと言う人は睨まれて固まっちゃっていた。



わたしが教えきれていないところもテストには出ていたのに、ちゃんと解けていた。



どれだけ努力したの?



「そんなものは負け犬の遠吠えだ!」

「来月の体育大会」

「……は?」

「そこで決着つけんぞ」

「見苦しい。負けを認めろ、洲崎一斗」

「さてはヘンタイ野郎、運動は苦手か」

「くっ……」

「お前。得意分野でしか勝負したくねえの?」

「受けてたとうじゃないか!」


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