棗ちゃんはステキな恋がしたい



――男の戦いは、続くらしい。


「仮屋さん」


体育委員の女の子から、声をかけられる。


「リレーの選手してくれないかな」

「……わたしが?」

「立候補なくて、なかなか決まらなくて。他薦で仮屋さんの名前が出たんだよね」

「いいよ」


他の子が出たいと思って手をあげなかったやつだ。


「あのね、仮屋さん。放送委員の先輩が仮屋さんにアナウンスしてもらいたいって言ってて」

「わたし!?」

「ダメ……かな」

「いいよ!」



頼りにされると、断れない。



運動は嫌いじゃないし。


体力は、まあまあ、ある方。


文を読むのも原稿があれば大丈夫だと思う。



けれど、ひとつ問題が。

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