棗ちゃんはステキな恋がしたい
頭に巻いていたハチマキを背後から奪われる。
「な、なにするの!」
不器用ながらに時間をかけて巻いたのに!
「こっちの台詞。ナツメの手作り、他のヤツの口に入んのは許せねーんだけど」
「い……一斗」
やっと来た!
「来るの遅いよ」
「あ? 午後からが本番だろ」
そんなことないから~!
朝からずっと本番だよ!
「こいつのマドレーヌ食ったオトコ全員死刑」
「え゛」
男子の血の気が引いていく。
「殺されたくなきゃ二部の競技には死ぬ気で出ろ。まちがっても足引っぱんじゃねえぞ」
「お……おっす!」