棗ちゃんはステキな恋がしたい



「……よせよ」

「俺が納得いかねーんだ。こんなんで勝っても勝った気がしねえよバーカ」

「バッ……バカだと!?」

「ナツメのこと守ってくれてサンキューな」

「感謝される筋合いはない。君のためじゃない。棗は僕の嫁だ、全力で守らないでどうする」

「嫁は撤回しろや」

「僕に命令するな」



仲良くなれるかと思ったのに、どうしてこうなっちゃうの~!?



「ケガ回復したらマジで負かすから覚えとけ偏屈丸メガネ」

「君が僕に勝てる日は来ないね。ところで僕の華麗な組体操、棗の心に刺さった?」

「あ……そのときわたし、準備にまわってました」

「なっ……なんだと!?」

「残念だったな」

「失礼いたします」



姿を現したのは、ミツルさんの付き人。



「私はミツル様に仕える者で、霧島と申します。お迎えにまいりました」

「ああ。そうですか」



養護教諭の先生が担架を取りに行こうとするも、



「お気遣いなく」

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