棗ちゃんはステキな恋がしたい


「……ミツル、さん」

「っ!? な、棗。どうして……ここに」

「わたし、あの……ミツルさんが心配で」

「……僕が?」



暴れていたミツルさんが、ピタリと動きを止める。



その瞬間、看護師さんがミツルさんに注射を打った。



「うっ」

「注射、苦手……なんですか?」

「まさか……! 僕に苦手なものなんてない!」



と言いながら、すごく我慢してません?

歯を食いしばっていますよね。



「それより棗は……僕に会いに来たのか?」

「はい」

「なぜ」


なぜって……



「ミツルさんのこと放っておけるわけないじゃないですか」

「ほ……ほうって……おけ、ない?」

「はい」

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