棗ちゃんはステキな恋がしたい
一理ある。
自然って、心が洗われるもん。
空気よさそうだな。
もし、晴れていたら
こんなところで食事したら気持ちいいんだろうなあ。
坂田にお願いしたら今度連れてきてくれるかな。
気合い入れて豪華なお弁当たくさん用意してくれそう。
一斗と、来たいな。
「坂田が一緒じゃないのは珍しいよな」
「うん」
「昔のアイツなら迎えを他のヤツに頼むことなんてなかったのに。丸くなったもんだ」
…………ん?
「おじさん」
「なんだ」
「今、わたしのスマホの電源切った?」
「いや」
「ウソ。切ってた」
そこまでする必要、ないよ。
「返して」
「スマホ依存性かい? お嬢さん」
「バカな冗談言ってないで、はやく渡して」
「そのお願いは聞けねえな」
「どうして」
「どうしてかって? そりゃ――」